2012年5月1日火曜日

「晶」創刊に際して


 このたび季刊同人誌「晶」をたちあげる運びとなりました。私のプロフィールをまじえながら、「晶」への想いを書いてみたいと思います。
私は、母の手ほどきで二十歳のころより俳句をはじめました。その頃、たまたま近くのカルチャー教室で芭蕉の講座があり、その講師が香西照雄先生でした。若かった私を、香西照雄師は、母には「自分が育ててみたい」とおっしゃったそうで、それから香西先生の実作の別のカルチャー教室に通うことになりました。そこではまず、高野素十の「初鴉」を読むように言われ、客観写生を叩きこまれました。句作でスランプになると、自分が立ち返るコンパスの芯のようなものは、今でもこの写生の眼です。
香西先生のご縁で「萬緑」という中村草田男創刊の俳誌に依って二十五年余りを過ごしました。私は草田男先生の孫弟子ということになります。草田男先生の亡くなられた、昭和五十八年八月が初投句で、草田男選に二句掲載され、その後、萬緑新人賞を受賞(一九八九年)、その翌年同人となり、萬緑賞を受賞(二〇〇四年)の翌年、退会し、「麟」と言う同人誌で草田男研究をはじめました。さらに「ににん」という同人誌でその続きとしての草田男第一句集の『長子』の研究を続けて、すでに七年がたちました。
孫弟子で、生前の草田男先生に一度もまみえたことのない私が、なぜ草田男研究をしているのかといえば、それは、香西先生に「師の研究をしなければ弟子とは言えない」と言われた教えが深く残っているからです。いまだに草田男先生の奥深さに圧倒されるばかりで、まだ第一句集しか終わっていません。しかし、自分でたちあげた「晶」で、この研究の続きをしようと決意しました。

5 件のコメント:

  1. 「晶」のブログ開設おめでとうございます。草田男忌の創刊号を楽しみにしております。

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  2. 謎の佳人、三島ゆかりさんのうれしいお言葉に励まされています。これからもどうぞ、応援してください。                   千晶

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  3. 「晶」ブログ開設おめでとうございます。「晶」、千晶さんの今後のご活躍を楽しみにしています。

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  4. お言葉を本当にありがとうございます。まだ、コメント返信を書くのにも、マニュアルを見ながら操作していますので、遅くなってすみません。どうぞ今後ともお願いいたします。 千晶

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  5. 先日は「晶」を送って下さり有り難うございました。同人の方の熱い思いが伝わって来る一冊でした。

    追伸 馬場さまとはネット句会でご一緒してます。

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